〜簡単なあらすじ〜

お館様と幸村とヒロインの三角関係のお話。
お館様の恋人一歩手前のヒロインが差し入れに道場へお館様を訪ねてやってきて、それを見た幸村が一目惚れ。あの手この手で接触してくるブラック幸村にヒロインはたじたじになりながらも惹かれていく。 幸村の誘いにのっていくうちに自分が二股をかけてることに気づくヒロイン。このまま自分のものにしたい幸村。それを知っていて余裕で構えてるお館様。 幸村が稽古つけてもらうときも直接口にはしてないけれど、お互いがヒロインを取り合ってることを知ってるから自然と稽古も荒いものになっている。 このままではいけないと思いつつもついつい幸村に「会いたい」とメールしてしまう。するとなりゆき(?)であはんうふんするハメに。←(ナイトカーニバル) それを知ったお館様も黙ってない←(“The tempter or〜) さあどうなるこの三角関係!!
うっかり短編が繋がった!
こんな感じでどうでしょう??百戦錬磨お館様VSブラック幸村!!









「痛い」
下腹部に鈍痛を感じて目を覚ました。底に溜まるような痛みと体に重りがのしかかっているような気だるさが私を襲う。
冷たい空気とカーテンから漏れる白い光の筋がこちらに伸びている。今日はどうやらいい天気みたいだ。
「あ、」
体を起こすと、下肢にぬるりとしたものを感じた。
夜のことはぼんやりとしか思い出せない。とても激しく揺さぶられたのと、薄く笑う幸村さんの顔だけ記憶に残っている。
「幸村さん」
幸村さんが寝ているはずのスペースは既にもぬけの殻で、体温を手放したシーツがひんやりとしていた。どうやら、大分前にベッドを抜け出したのだろう。
お館様なら私が目覚めるまで抱いてくれているのに。温もりのないシーツに悲しくなって私はベッドから降りた。



何も纏わずに部屋をうろうろするだなんて酷く心もとない。 床には幸村さんの家に行くなり脱がされた服がくしゃくしゃになって投げてある。幸村さんは脱がし方は丁寧だけど脱がした後はぽい、と放り投げてしまうから私はいつも着る物に困ってしまう。仕方なくくたりとなった上着を拾い、皺のついたスカートを穿く。ブラは……見当たらない。服を脱がされた時のことを思い出そうとするけれど、あの時はもう自分の体が自分の物じゃないくらいおかしくなっていたから、ブラの行方なんて覚えてういない。普段着けている物がないとそわそわして落ち着かない。今日は幸村さんに家に送ってもらわなくちゃ。こんな状態じゃ絶対歩いて帰れない。 下着のない下肢が気になるけれど、これは昨日公園で投げ捨てられたから仕方ない。
とりあえず声を上げすぎてカサカサする喉に水分を与えようとキッチンに移動すると、そこには脚を組んで煙草を吸っている幸村さんがいた。



「お早うございます」
掠れた声で小さく声をかけるとくわえていた煙草の先をぎゅっと潰して、こちらににこりと笑いかけてくれた。うん、私のいるところでは煙草を吸わないようにしてくれるこういうところが好き。
「お早う。よく眠れたか」
彼の両腕が私に向かって開かれてまるで「おいで」と言われているみたいで、私はその腕にすり寄ってしまう。幸村さんが私のお腹に腕を回して肩に顎をのっけるから頬に髪が当たってくすぐったい。
「声がかすれておられるな。昨晩は随分と酷くしてしまった故、」
小さな白いマグカップが私の唇に当てられる。飲めということなのだろう。そっと傾けられると白くて甘い液体が喉を潤してくれた。これはホットミルクだ。幸村さんはホットミルクは飲まない。牛乳を熱したあとにできる膜と独特の匂いが駄目なのだそうだ。ということは、これは彼が私に作ってくれたのだろう。
相当喉が渇いていたのか、一気に半分まで飲み干してしまってそれを見た幸村さんがククッと笑った。
「早く元の可愛らしい声が戻るとよいが」
今日の幸村さんはいつもより優しくて嬉しい。大きな手のひらで撫でられた喉がじんわりと熱くなった気がした。
「さてと、もう行かねば。今日は帰るのが遅くなりそうなのだ。なまえ殿には申し訳ないと思うておる」
「あ、いえ、お仕事だから仕方ないです」
眉根を下げて謝る彼に慌てて首を振る。
「そうだ、待ってくださいっ、私、下着がないんです!幸村さんが………捨てたから」
「……ああ、そうであったな。それは後で何とかしよう。そうだな、昼頃に一度戻る。夜までここがそのままではいかんしな」
「ひぁっ」
長い指が股を割ってそこをつるりと撫でた。
「では行って参る。なるべく早く戻る故暫く辛抱されよ?」



顔面蒼白の私を置いて幸村さんは行ってしまった。どうやら私、幸村さんが帰って来るまで下着無しで過ごさなければいけないらしい。


受難が続く


(08.07.13)