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全くこれをどうしたら良いのかと額に手を当てる。自分の服や下着の入った籠の中に可愛らしいレースが覗いている。言わずもがな女物だが某には女物を好んでつける趣味は無い。極力直視しないように自分の洗濯物から干していくがそれで問題が解決する筈もなく、白いレースだけが残った。先日殿を泊めた時に洗ったものだ。あの夜のことを思い出すと自動的に熱が下に溜まるので昼間から盛るのはいかん、と頭を振りながら手早く乾かしてしまおうとそっとフックをつまむ。フックだけ掴んだ下着がゆらゆら揺れる。何度か揺れた後、まるで誘っているかのように下着の裏地がこちらを向いた。 「う、む。なるほど。女子の下着とはこのようになっているのだな」 わざとらしくゴホン咳払いをして他に誰もいる筈のないベランダの左右を確認する。ここに殿の胸が当たっているのかとそっと鼻を近づけて匂いを吸い込むと自宅の爽やかな洗濯洗剤の香りがして、がっかりしながら洗濯バサミでフックを吊り下げた。その際、ブラのタグが目に入り、そこに書いてあったアルファベットを数え頭の中で記憶している殿の胸と比べて手で掬う。思わず力の入った手は空気を掴んだ。(やはり生の方が………) 最後に白いパンツが残った。端を摘んで洗濯バサミに挟もうとしたが震えた手が滑ってベランダから下へ落としそうになったのをギリギリでキャッチした。すると丁度下の道路を散歩していた犬を連れたご婦人と目が合って怪訝な顔をされた。ワンワンと犬が某に向かって吠えて道を通る者たちの視線が集まるのを避ける様にその場に頭を抱えてしゃがみ込む。道路に誰もいなくなったのを確認して、握り締めて皺になってしまった殿の物を「皺になるから洗濯物は伸ばして干すんだよ」という彼女のアドバイス通りパンパンと伸ばして今度は確実に干し、よろめきながら部屋に戻った。 午後からの授業は殿がいる筈だと辺りを見回すが姿が見えないのでメールを送る。直ぐに返事が返ってきて後ろのドアから友人を連れて入って来た。小さく手招きをすれば笑顔でこちらへ向かってきた。その笑顔に何やらちくりと心臓が痛む気がする。 「何?」 不思議そうにする彼女にどう切り出していいか分からず、自分の鞄から紙袋を取り出し「これを」と差し出すと「開けていい?」と言うので慌てて制止したが止められず袋を覗き込んだ殿が叫んで物凄い速さで鞄に仕舞い込んだ。 「幸村ぁ、学校に持って来ないでよ」 「す、すまぬ、しかしいつまでも某の家にあるというのも……」 「人に見られたらどうするのよ」 ジロリと睨みつけられてたじたじになりながら弁解しなければと咄嗟に出た言葉は………、全く自分が情けない。それは弁解でも何でもなく嗚呼、なんと素直な脳であることか! 「某、白好きで御座るよ」 純白の憂鬱 (某は股間を押さえて蹲るしかなかった) (08.02.12) |