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何もすることがなくて暇でしょうがない私たちは慶次の部屋でだらけている。
慶次なら喜んで外に飛び出していきそうなものだが生憎今日は雨。
ゲームも飽きたしテレビは興味のある番組がない。
本当に退屈なので私たちは仕方なく本を読むことにした。
まぁ私は雑誌だけど。 慶次があまりにも静かなので寝ているのかと思ったけれど、どうやらかなり集中している。 何を読んでいるのかちょっと興味がわいたので題名を覗いたら聖書だった。 えー…。 「慶次ってば聖書読んでるの?」 「そうだよ。読んでみると奥が深いんだな、これが。も読む?」 「うわぁ、私は遠慮するよ」 分厚くてみるからに難しそう。 手に取るだけで眠くなっちゃうわ。 慶次はまた小難しそうな本に目を落として真剣に読み始める。 むー、雑誌も読み倒しちゃったし暇。 私はごろんと床に転がって足を動かして慶次の隣まで背面移動。 その姿を見て慶次は変なものを見た顔をしていた。こいつ! 「ねーえ慶次、本ばっかり読んでないでさ。お喋りしようよ」 「んー?今いいところなの。後でね」 「冷たいー……じゃあ百歩譲って慶次の好きな話でいいからー」 「じゃあ…は恋してるかい?」 また恋の話か! 「またそれ?慶次その話題ばっかじゃん。違う話しようよ」 「が俺が好きな話でいいって言ったんじゃん」 「そうだけど。じゃあ、慶次は恋してるの?」 「ん。してるよ」 あんまりさらりと言うもんだから何て言ったか理解するまでに時間がかかった。 え、慶次好きな人いるんだ。ショック…かも。 にこにこ嬉しそうに話すこいつが嫌だ。 「慶次の好きな人教えてよ。場合によっては協力してあげてもいいよ」 嘘だけどね。上手に聞き出す言葉が思い浮かばなかったの。 こんなことしか言えない自分が悲しくなる。 「いいけどさ。その前に目、瞑ってよ」 「うん…」 恥ずかしいから目を閉じろっていうのね。 どうせ好きな人を聞いたら目を開けるんだからそんなことしなくてもいいのに。 でも、慶次の機嫌を損ねて聞きそびれたくないので黙って目を瞑る。 「じっとしててよ」 「?うん」 ちゅう。 「ひゃわっ!」 返事をした瞬間、髪をかき分けられてうなじに唇が触れる。 がぶり。 「きゃあ!」 今度は歯を立てられた。 こいつ何するのっ? 驚いて目を瞬かせていると慶次は親指をぺろりと舐めて、らしからぬ妖艶な瞳をして笑った。 見えない皮膚を破る (彼の瞳は艶やかな牙のようだ) (07.08.17) |